気象防災アドバイザー
2017年度の第4四半期,気象庁は地方公共団体の防災の現場で即戦力となる気象防災の専門家を育成することを目的として「気象防災アドバイザー育成研修」を実施しました。
この研修は,気象予報等について高度な知識を持つ気象予報士や,気象業務経験者等の気象の専門家が,我が国の防災制度や地方公共団体の防災対応、最新の防災気象情報の実践的な活用方法等を習得することを目的としたもので,その前年度に実施した「地方公共団体の防災対策支援のための気象予報士活用モデル事業」の結果を受けて実施されたものです。
2017年度の気象防災アドバイザー研修では,57名が受講を修了し,気象防災に関する知識を習得しました。私も57名のうちのひとりとして活動の場を模索しています。
気象防災アドバイザーの業務
通常時の業務
・日々の気象解説,気象講演等の実施,防災訓練への協力
地方自治体に配備されている防災情報システム等を活用方法の解説の他,日常業務として毎日の気象状況の解説を行います。また,自治体職員の方を対象に気象講演会を実施するほか,自治会や学校等において気象講演会や防災ワークショップ,防災訓練の実施や監修を行います。
・防災マニュアルなどの作成,改善支援
防災マニュアルが整備されていない場合は,作成のための資料準備を行います。また,既に整備されている場合も問題点や改善点の洗い出しを行い,マニュアルのアップデートのあめの支援を行います。
・地元気象台との橋渡し役
実際に災害が発生した場合に備えて,地方気象台等と連絡を取り合うことが容易になるような体制を構築します。オンラインでの情報を補えるなど,メリットが多くなります。
大雨等,防災対応時の業務
・気象状況をより詳細に解説
通常の気象情報の解説に加え,予想される現象や,既に発生している現象の持続時間や推移について,情報を取りまとめて詳細に解説を行います。
・防災気象情報の解説
災害発生の危険度の高まりに応じて気象庁から段階的に発表される情報について,解説を行います。段階的に発表される情報には,地方気象情報,警報・注意報,土砂災害警戒情報,記録的短時間大雨情報などがあります。
「気象防災アドバイザー」は,明確に資格化されたものではなく,また始まったばかりの制度であり,活用方法についても未整備の点が多くあります。2016年度のモデル事業では,出水期 (主に夏期) における土砂災害や河川のはん濫などの支援役として活躍しましたが,今後は冬期の降雪・積雪時における情報支援などにも活用が期待されます。また,本来は地方自治体への防災対応派遣要因ですが,一般企業等においても防災意識の向上や BCP (事業継続計画:Business continuity planning) の策定等において活躍することが期待されます。本制度についてのお問い合わせは以下までお願いします。
気象庁 総務部 情報利用推進課
電話: 03-3212-8341 内線4220, 4230
メール: jma_wxad@met.kishou.go.jp
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